ご相談Q&A

うつ病のネガティブな考え方-認知行動療法的アプローチ-

(2008年10月16日 15:57)

相談
  現在、うつ病で薬物療法を受けています。出勤しても、集中できずいつの間にか時間が過ぎていて、処理しなければならない書類がどんどん溜まっていき、その処理を翌日に延ばしては、上司から注意を受け、さらに落ち込んで、集中できなくなるという悪循環が続いています。上司から注意を受けても、過度に落ち込まず、書類に手がつけられるようになりたいのですが、薬物療法以外にも何か方法はありますか?

お返事
IP08_B28.JPG ネガティブな考え方による悪循環にお悩みのようですね。ご相談のケースですと、薬物療法以外にも、例えば、当院の相談員と面接の中で、ご自身の気分や行動、考え方などについて、一緒に整理してゆくやり方があります。面接内容の例としては、前回の面接で宿題としてあげた内容を報告してもらったり、その時、気になることを伺ったりします。宿題は「うつ評価表」「不安評価表」などのツールを使って、日々の自分の気分・感情に点数をつけてもらったりします。また自分の思考パターンを観察してもらい、実際の困った場面でどのような対処法があるのかなどを、相談員と話し合いながら考えていきます。
 今回のご相談では、上司から注意を受けても、そこまで落ち込むことなく仕事が続けられる程度の状態になりたいということですので、例えば、日々の宿題や相談員との面接を通し、「上司に叱られる」という状況に対し、「いつも自分がミスをしないか見張られている。自分は能力のない人間だと思われている。」という自動的に浮かんでくる思考があることに気づけるようにしていきます。その思考によって、「無気力感が90%」くらいでてくるので、「仕事が手に付かない」という行動が現れるという一連の自分自身の認知のパターンを自覚します。それを自覚することによって、今度は「上司に叱られても、人間的に否定されているわけではなく、現時点で書類が溜まっていることを注意されているだけ。注意されて悲しいけど無気力感まではいかないようにする」というようにマイナスな思考部分の対処法を考え、実際に現場で実践してみるということを繰り返していきます。   
 これらのように、自分の考え方や気分の生じ方を自覚し、マイナスな思考に対して新しい前向きな考え方を知っていくと、自身の症状をコントロールしたり、悪循環の状況に陥らないような対処法を患者様自らが考え出せるようになっていきます。すぐにできるものではないので、宿題や面接を通じて一緒に焦らずゆっくりやっていきましょう。