ご相談Q&A
パニック障害

相談
 現在、パニック障害と診断され、薬物療法を受けています。半年前、スーパーで買い物中に突然動悸がして、呼吸が苦しくなってしまいました。それ以来、そのスーパーに向かって歩いていると動悸がしてきてスーパーまでたどり着くことが難しくなってしまいました。近所で一番近いスーパーなのでまた行けるようになりたいのですが。

お返事
CHNU004.gif 突然そのような発作に襲われ、行きたいところにも行けなくなってしまうのはとても不本意な状況ですね。当院では、服薬以外にも相談員が、日常生活上で病気のために困ってしまったささいなことなどのご相談を受けています。今回のご相談は近所のスーパーにもう一度行きたいということですが、まず、病気を正しく理解し、スーパーに行こうとすると発作が起きてしまのではないかという誤った認知があることを自覚した上で、例えば、「スーパーまでのいつものルートで、最初はスーパーまでたどりつけなくても、徐々に歩く距離を増やしてみよう」または「いつも歩いているのとは違うルートを使ってみよう」など、患者様と一緒に問題を話し合い、できそうな対処法を探していきます。生活の中でこれらの工夫をすることで、発作や不安は解消されていくことが多いです。生活の問題なので医師には話せない内容だと決め付けずに、一緒に考えていきましょう。また、すぐにできるものではないので、焦らず少しずつやっていきましょう。

相談
CHTI037.gif 私の妻は、2ヶ月前から突然の動悸・息苦しさなどのパニック発作が出始めて、心療内科にかかり、「パニック障害」と診断されました。現在、薬を調整中ということでまだ発作が出現するようで、精神的にも不安定です。この病気は、本当に治るのでしょうか?つらがっている妻にどのように接したらいいのでしょうか?

お返事
 パニック障害を発症すると、患者はもちろん家族もその多様な症状に振りまわされ、途方に暮れてしまうことが多いようです。「思い切って環境を変えてあげた方が良いのか」「たくさんの薬を服用して、体に悪くないのか」など気になりだしたらきりがありません。パニック障害とは、本来たいした状況でもないのに脳が誤作動して次々と危険信号を発してしまい動悸などのパニック発作を起こしてしまうという病気なのです。時間がかかる場合もあるのですが、きちんと治すべき疾患の一つです。そのためには、ご家族の協力は不可欠です。
 まず、ご家族がして頂きたいものは下記のようなものです。
・パニック障害がどんな病気のなのかきちんと解する
・叱ったり、励ましたりするのは厳禁
・一人で外出できないときは、付き添いをする。できれば診察にも同行する。
・薬で治ることを信じて、薬についてとやかく言わない。
治癒を信じて病気と一緒に闘う
実際にどうして良いかわからないときは、素直に専門家に相談することです。

CHTI035.gif相談
 先日、デパートの地下で買い物をしていたときに、急に胸が苦しくなって、「もう死ぬんではないか」とまで思ってしまうくらいの状態になりました。その後、病院の内科を受診して心電図・呼吸機能検査などの精密検査をしましたが、特に異常はなく、内科医師から「パニック障害かと思うので、心療内科を受診してみては?」と言われました。
 いったい、パニック障害というものは、どんな病気なんですか?

お返事
 パニック障害は、ある日突然、めまい、心悸亢進、呼吸困難といった自律神経の嵐のような症状とともに激しい不安が発作的に起こる病気です。医師の診断を受けても身体的にはどこも異常なところは発見されません。ですから、従来は、専門医からは不安神経症とかうつ病と診断されることが多く、一般医からは自律神経失調症、心身症、心臓神経症、過呼吸症候群、心室性頻脈、狭心症、メニエ-ル症候群、過敏性大腸炎、と診断されていることが多い状態です。
 パニック障害は100人に1人ぐらいの割合で起こる病気です。欧米諸国では男性1人に対し女性が2人以上の割合で発症するといわれていますが、日本では男女ほぼ同じくらいの割合で発症しています。発症年齢は男性では25歳から30歳位にピ-クがあり、女性では35歳前後の発病が最も多くみられています。

パニック障害の具体的な症状としては、下記のようなものです。

CWFA031.gif 心悸亢進:「体全体がドキンドキンといっている」「心臓をギュ-と掴まれたようだ」「喉から心臓が飛び出しそうな感じ」
 呼吸困難:「空気が薄い感じ」「息の吸い方はき方がわからない」「喉がえずく(ウッウッと息を出すこと)」「閉じこめられてしまった感じ」
 めまい:「頭から血が抜けていく感じ」「頭の血管がプツンした感じ」「頭を後ろに引っ張られるよう」
 腹部不快感:「胃をギュ-と掴まれて引っ張りあげられる」「おなかがフニュフニャして変な感じ」
 非現実感:「雲の上を歩いている」「頭に霞がかかっている」「ベ-ルをかぶっている」「自分が自分でない感じ」「自分をもう一人の自分が外からみている」

 ここにあげた発作症状にともない常にある症状は激しい不安感です。この不安は、「どうしようも出来ない」「いても立ってもおられない」「身の置き所がない」「走り出したくなる」「大声で叫びたい」といったように表現されます。身体症状による二次的な不安もありますが、中心症状となる不安は、心の底からわき起こってくる不安そのものです
 パニック発作はある一定の時間に限り激しい恐怖感や不安感とともに上にあげた症状が4つ以上ほぼ同時に突然出現し、10分以内にピ-クに達します。パニック発作はその激しさが最高潮に達した後は30分以内に症状が消え去ることが多いようです。しかし、一部の患者では半日以上も症状が持続することがあります。
 パニック障害のパニック発作は誘因なく突然はじまるのが特徴です。過度の緊張のあまり上がってしまった状態とか、たいへん恐ろしい場面でパニック発作が出現することは納得できます。ところが、パニック障害のパニック発作はどうしてこんな所で発作が起こるのかと本人にも周囲の人にも全く理解できないのがこの病気の所以です。まさに青天の霹靂です。しかし、数は少ないですが、なかにはあるきまった一定の場所でしかパニック発作を起こさない人もいます。例えば、車を運転中だけとか、電車に乗ったときだけしか発作はおきません。しかし、このような人でも、自宅でくつろいでいる時に発作ほど激しくない症状で不意に気分が悪くなることがそれまでにあったということがしばしば聞かれます。