印象に残った症例 その診断と治療 虐待を受けていた高機能広汎性発達障害の2症例(掲載:精神科診断学(0915-7301)9巻2号 Page147-150(1998.09)

<抄録>
中学校でクラスメイトなど他の生徒との交流がなく集団に入り込まない子どもが、家庭内暴力を起こし、地域の家庭相談センターに両親が相談することで、医療機関を受診することになり、本人が高機能広汎性発達障害であることがわかった事例である。この障害と理解されていなかったため、家庭では幼少期からネグレクトがされており、また学校では適切な指導がされていなかった。そのために、一時的に不穏状態になり家庭内で暴れたのであった。今回のような悲劇を生み出さないためにも、家庭・教育機関がどのようにこの障害をとらえるかが重要であり、その考察を行った。