青年期になって精神分裂病の初回エピソードを呈した学習障害児(掲載:臨床精神医学(0300-032X)30巻11号 Page1303-1308(2001.11)

<抄録>
17歳女.幻聴を主訴とした.本例は小学生になって算数場面でのみ学習障害が現われた.中学入学後に不登校となったが,その頃から気分易変性・易怒性が出現し入院した.気分安定剤で一時的に安定していたが,幻聴が出現した.明らかにこれまでとは違うはっきりとした幻聴妄想と強い恐怖心,修正不能な被害妄想と解体した会話から精神分裂病の初回エピソードと考えた.気分安定剤とハロペリドール投与により幻聴は軽減し,安定した.学習障害の認知障害から出現する空想と,精神分裂病の幻覚妄想状態との区別は難しいが,精神分裂病に見られる随伴症状を丁寧に観察する必要がある(著者抄録)