こころの豆知識
睡眠障害

夜更かしの現状と問題点

 24時間営業のコンビニや託児所を設けて深夜営業に励む居酒屋に幼児の姿を見かけることも珍しくなくなりました。2002年の全国調査では、3歳児の過半数は夜10時をすぎても起きている、また、2003年には小学6年生の6%、中学3年生の66%の就床時刻は午前0時過ぎとなり、小学生の訴えのベスト3は、あくびが出る(62%)、眠い(58%)、横になりたい(47%)、となっていました。
IP08_A40.JPG 生体時計の周期は24時間より長く、年齢に関係なく朝寝坊や夜更かしの方が楽にできます。外で遊びの場が喪失し、ゲームを含むメディアが普及した現代では、かつてないほどきちんと寝るための工夫が必要です。昨今ではTシャツ、ジャージのままで寝る子どもも多い状態です。「寝間着に着替える」「翌朝に衣類をそろえて枕元に置く」などは昔からの「入眠儀式」でした。実はこのような儀式は重要なのです。親はその子どもにあわせた入眠儀式の習慣化に力を注ぐことが必要です。
 また、朝、太陽の光を浴びて起きることも重要です。24時間周期の地球で生きる動物であるヒトは、眠り、朝の光を浴び、体内時計をリセットすることで日中の活動をすることができます。朝起きるときに、カーテンを開けて太陽の光を浴びるという当たり前の生活を見直しましょう。
 睡眠不足は、各地の教育大学の研究からも学業成績に大きな影響を与える実地調査の研究報告が多くされています。睡眠不足から来るセロトニン活性の低下でイライラ感、攻撃性の増加といった感情制御の問題も起きてきます。
 寝ている時間は何もしないから少なくしてしまうというような、睡眠をないがしろにする行動はできるだけ慎み、十分睡眠をとって充実した生活を送りましょう。

寝ないと太る!

IP08_B38.JPG シカゴ大学の研究結果から、睡眠時間が減ると、糖尿病や高血圧などの生活習慣病の危険が高まると示唆されている。これに加え、最近では様々な生活習慣病の現況である肥満と睡眠との関連がクローズアップされています。(Spiegel K, Leproult R, Van Cauter E:Impact of sleep debt on metabolic and endocrine function.Lancet. 1999 Oct 23;354(9188):1435-9.)
  睡眠時間が減ると朝のインスリン分泌が悪くなり、血糖値が上昇し、交感神経系の活動が高まり、コルチコステロンが夕方になっても減少しにくくなります。また、睡眠時間を減らすと老化を促進することもはっきりしました。太る成因としては、レプチンの低下やグレリンの上昇も含め、「夜更かし→慢性の時差ぼけ→体調不良→日中の運動量低下→肥満」が想定されています。

寝つきを良くする

CHLI060.gif 寝つき前にあつすぎる入浴・4時間前のカフェイン摂取などの刺激を避けてリラックスすることは大切ですが、それだけではありません。

・眠くなってから就床(30分寝つけなかったら床から離れる。床の中で苦しむのを防ぐ
・規則的な起床時間と光の利用(休日でも起床時間は一定にする。寝つき時計を決めるのは朝の日光
・手先・足先を暖かくする(熱を逃がし内部体温を下げて体を休ませる)

意外なことが重要なのです。

不眠とは

CHLI061.gif 日本大学の内山先生らの研究によると、日本全国から無作為抽出の4000人を対象にした調査で成人の21.4%が不眠であると答えたそうです。その原因の第1位は、「ストレス」ではなく、「年齢によるもの」、「運動習慣がない」等のことの方が強い要因でったと報告しています。私たちは、「寝つけない」「眠れない」とそれを恐怖に思うがあまりに「不眠恐怖症」となり、生理的には当然な状態を必要以上に気にしすぎて、「私は不眠だ!」と思っている節があります。
 また、眠気が増せば、「寝つきが良くなる」訳ではありません。眠気は、睡眠の深さと長さを大きくさせますが、寝つきは良くしません。これも、誤解している方は多いです。