パニック障害の療法には薬物療法、認知療法、行動療法があります。治療の中心は薬物療法です。パニック障害は本来、初期の治療が早く適切であれば、薬物療法を数ヵ月間続けるだけで治ることも多いのですが、早期に病気を認識することは難しいので、予期不安や広場恐怖、うつへと進行してしまい、長期間苦しむ方が多いのです。
上手に治療が進めば、完治まで持って行けます。パニック障害の完治とは、発症前の状態に戻るということ。これは単に、薬を使わずに発作が治まっている、と言うだけでなく、予期不安や広場恐怖も無い状態になります。発作は先行して治まるものですが、予期不安と広場恐怖はかなり長期間付きまといます。しかし、完治をすると、あれに乗れた、そこに行けた、などという意識を持たずに行動しています。あれほど怖かったパニック発作も、いい経験だったと思えるようになるものです。
自閉症の子どもを数年継続的にみていくと、症状としての相互的な社会的関係の異常とか、コミュニケーションの質的異常といっても随分変化してきます。4-5歳になると主治医の姿を見て駆け寄ってくるし、小学生になると、向こうから何らかの言葉掛けをしてきます。中学生になると、オタクの仲間と出かけたりすることもあります。対人的そうご関係の領域やコミュニケーションの領域で起こってくる症状を「障害」と断定するのではなく、対人関係が不器用な子ども、コミュニケーションが不得手な子どもととらえることによって、年齢に応じた指導の手がかりえられます。言語的な活動水準が高いアスペルガー症候群の子どもは、一般の子どもが友達とのかかわりが活発になる中学生から高校生の年齢になると同級生に声をかけるようになりますが、相手の考えの方向性や感情的反応を推測できないため、相手が嫌がることを平気で言ったりすることが目立ってきます。そのため、同級生が無視したりすると、さらに一方的なアプローチをしたり、以前言われたことを思い出して執拗に抗議したりします。いずれにしても、成人ではそれだけ「自閉症」らしさが少なくなってきます。
AD/HDについては、診断基準の各項目に「・・がしばしばである」の語句がつけられているように、多動でもないときも多く、ゲームなどは長時間集中して取り組んだりしています。だからこそ、治療として行動療法という治療が有効であるといえます。年齢が高くなるとやたら歩きまわる移動性多動から、授業中椅子に座っていながら消しゴムなど机の上のものをいじったり、椅子をガタガタさせる非移動性多動へと変化していきます。発達障害の症状は固定したものではなく、年齢とともに変化していくのです。
AD/HDは、抑制と自己コントロールにかかわる脳の部位が発達的に障害されているとされていますが、中学2年生頃になると自己コントロールも可能になってきます。こうしてAD/HDの30%の子どもは思春期までにAD/HDとしての診断は不要になってきます。