こころの豆知識
パニック障害

パニック障害の認知行動療法

 薬物療法で発作を抑えることができても、広場恐怖や予期不安が完全に消え去るまで、かなり時間がかかるのが普通です。そんな時、認知行動療法を試してみるのがいいでしょう。認知行動療法は、新たな学習を積み重ねることによって、誤った認知を正しくしてゆくものです。
CHEX064.gif 例えば、電車に乗っているときにパニック発作が起きると、その二つが結びついて頭に刻み込まれます。時と場所を選ばないのがパニック発作ですから、電車に乗ったから起きたわけではないのですが、本人は電車に乗ったからまた発作が起きると、思いこんでしまうわけです。これが誤った認知で、予期不安を引き起こし、電車を避けるという広場恐怖につながります。
 ですから、電車に乗るという行為が発作を引き起こすのではないということを学習して、電車=発作という誤った認知を修正しなければいけません。
 認知行動療法は、こういった認知の修正に大きな力を発揮します。予期不安や広場恐怖に悩んでいる人は試す価値があります。ただし、やりすぎると、逆効果になることがありますので、できるだけ専門の医師のもとで行うことが大切です。
 パニック障害の治療法には「薬物療法」と「認知行動療法」があります。発症初期や急性期には、抗うつ薬・抗不安薬が有効な治療となりますが、慢性期には認知行動療法が有効であるとわかってきています。
CGPH019.gif 「パニック発作」は薬物療法で、ほぼ100%近く抑えることができ、発作がなくなることで予期不安も普通の生活に支障がない程度まで改善されます。薬の使い方は、医師のよって違いはありますが、発症初期や急性期であればSSRI(デプロメール・パキシルなど)などに代表される抗うつ薬を中心にして不安時頓服として抗不安薬(ソラナックス・メイラックスなど)を使うのが一般的です。また、同時に最小限の認知行動療法的カウンセリングも行っていきます。
 ここで重要なのは、パニック発作を完全にコントロールし、予期不安・広場恐怖を防止して、日常生活に変化が生まれるまでは、しっかりとした薬物療法をすることです。中途半端な量での薬物療法は、治癒までの期間を延長して遷延化させることもありますので注意です。
 薬物投与の終了は、パニック発作・広場恐怖・予期不安などの症状がなくなり、安定した状態が6ヶ月以上続くようになったら、3ヶ月ごとに25%くらいずつ用量を減らしていき、これを繰り返して治療の終了につなげます。再発予防には、それまで行ってきた認知行動療法が効果を発揮します。
  パニック障害の療法には薬物療法認知療法行動療法があります。治療の中心は薬物療法です。パニック障害は本来、初期の治療が早く適切であれば、薬物療法を数ヵ月間続けるだけで治ることも多いのですが、早期に病気を認識することは難しいので、予期不安や広場恐怖、うつへと進行してしまい、長期間苦しむ方が多いのです。
  上手に治療が進めば、完治まで持って行けます。パニック障害の完治とは、発症前の状態に戻るということ。これは単に、薬を使わずに発作が治まっている、と言うだけでなく、予期不安や広場恐怖も無い状態になります。発作は先行して治まるものですが、予期不安と広場恐怖はかなり長期間付きまといます。しかし、完治をすると、あれに乗れた、そこに行けた、などという意識を持たずに行動しています。あれほど怖かったパニック発作も、いい経験だったと思えるようになるものです。