診察内容
道玄坂しもやまクリニック TOP > 診療内容: むずむず脚症候群

むずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群)

むずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群)の有病率は、疾患の認知が進んでいないため、多くの患者さんが見逃され、十分な治療を受けられないままになっていると考えられます。むずむず脚症候群は生死に直結する疾患ではありません。しかし、睡眠中の脚の不快感により、安らかな眠りを得ることができにくくなりますし、並存しやすい睡眠時周期性四肢運動によって睡眠が妨げられるので睡眠時間が著しく短くなります。

このため疲労・消耗し、慢性的な睡眠不足のため、仕事や社会活動など日中の機能が大きく損なわれます。その結果、気分の変調をきたし、うつ的になったり人間関係が悪化したりすることもあるほどです。むずむず脚症候群を的確に診断・治療することは生活面の向上を図る上でも大変重要です。


1,症状と有病率

むずむず脚症候群(RLS)は,安静時に「下肢の不快感を伴い,下肢を動かしたいという強い欲求を生じる」ことを主症状とし,睡眠時周期性四肢運動(PLMS)を伴うことが多く,夕方から夜間にかけて症状が増悪します。患者は下肢の不快感を「むずむずする」「虫が這っている感じがする」「過敏になっている」「うずく」「ほてる」「ずきずきする」など多様な表現で訴える方が多いです。むずむず脚症候群(RLS)は,睡眠障害の原因の第2位を占める重要な疾患であるにもかかわらず,わが国ではほとんどの患者が未治療であるのが現実です。

 一般人口のむずむず脚症候群(RLS)の有病率は,全体で4.01%であり,女性4.86%,男性3.03%と,女性に多い傾向があり,一般的に,年齢とともに有病率は高くなると報告されています。小児期にも少数ではありますがみられ、成長痛として見過ごされたり、ADHDと誤診されている場合もあるほどです。

2,原因

  • 原因不明の特発性のもの
  • 鉄欠乏,妊娠,腎不全,糖尿病などを原因とする二次性のもの
特発性のドパミン神経系の病理
 特発性むずむず脚症候群(RLS)の治療には,ドパミンアゴニストやL-DOPAなどのドパミン作動薬が有効であることは知られています。下肢の不快感やPLMSの機序の一部には,ドパミン神経系の異常に重畳した末梢神経の感覚入力の障害,中枢の感覚運動の統合障害と末梢への抑制欠如,そして脊髄の興奮性増強の三者が関与するものと推定されています。

鉄欠乏によるもの
 むずむず脚症候群(RLS)の有力な原因の1つとされる鉄欠乏は,むずむず脚症候群(RLS)患者の約30%に認められます。むずむず脚症候群(RLS)患者では髄液中のフェリチン値が低下し,トランスフェリン値が増加し,むずむず脚症候群(RLS)患者における中脳黒質の鉄含有量が低下していることが報告されています。このようなむずむず脚症候群(RLS)の鉄欠乏の関連は,ドパミン産生にはチロシンヒドロキシラーゼが律速酵素となるのですが,その活性に鉄が重要な役割を果たすためであると推測されています。以上の報告や鉄欠乏動物の実験などから,尾状核および被殻におけるD1およびD2ドパミン受容体の密度低下およびドパミントランスポーター機能低下,および細胞外ドパミン濃度の上昇などが生じ,むずむず脚症候群(RLS)発症に関与するとみられています。

3,治療

 むずむず脚症候群(RLS)の治療開始にあたっては,まず特発性と二次性に鑑別する必要があります。二次性むずむず脚症候群の場合,原疾患の治療が第一となります。特発性むずむず脚症候群(RLS)では,非薬物治療と薬物治療の2つに分かれます()。非薬物治療には,睡眠衛生の指導,飲酒・カフェイン・喫煙の制限などです。欧米では,中等度以上の患者に対して,鉄剤,L-DOPA,ドパミンアゴニスト,抗けいれん薬,オピオイド,ベンゾジアゼピン系薬などの薬物が使用されています。

 上述の薬物のうち,副作用のリスクが少ないことを考慮して、むずむず脚症候群(RLS)治療の第一選択薬は非麦角系ドパミンアゴニストとなっています。

 以上より,むずむず脚症候群(RLS)では,有効性と安全性を考慮すると非麦角系ドパミンアゴニストが第一選択となるが低用量からの開始と維持を守ること,鉄欠乏に注意し定期的に血清フェリチン濃度をモニタリングすることなどが重要です()。

図 レストレスレッグス症候群の治療アルゴリズム
図 レストレスレッグス症候群の治療アルゴリズム

表 レストレスレッグス症候群の治療のまとめ
表 レストレスレッグス症候群の治療のまとめ

予約状況の確認
予約状況の確認